ポタ赤を買ってもコレは買うな!

カメラ/天文

これからポータブル赤道儀を買おうという人への注意喚起(?というよりアドバイス)です。
最小限の費用で楽しみましょう。

わかっている人が必要に応じて使っているのを否定するものではありません。

ポタ赤(ポータブル赤道儀)ってなに?

カメラを手に入れて次のステップアップとして天体写真に挑戦してみたいと思う人も多いはずです。そのための機材として必要なのが”赤道儀”です。赤道儀というのはすごくざっくりいえば、星の動きに合わせて動く回転架台ですね。

その赤道儀の中でもカメラで写真を撮ることに特化して、軽量・小型にパラメーターを振った赤道儀をポータブル赤道儀(ポタ赤)と言います。

ポータブル赤道儀にはいろいろなアクセサリーが販売されており、初めて赤道儀を買おうという人には何が必要なのかわかりにくいです。今回はそんな方へ向けて、買わなくてもいいモノ、買わない方がいいモノを紹介します。

これは買うな

極軸望遠鏡

なかなかいいお値段で売ってるんですよね。
ポタ赤のなかでは比較的高い部類に入るポラリエUが6万円ぐらいなのに極軸望遠鏡ユニットだけで3万円もします。モノとしてそのぐらいのコストがかかるのはわかるのですが、ちょっと高すぎませんか。

後述しますが、二桁mmのレンズで数分間の撮影であれば極軸望遠鏡がなくても極軸合わせはできます。

ビクセン(Vixen) ポラリエU 極軸望遠鏡 PF-LIIセット 35495

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ポタ赤の極軸望遠鏡は費用に対して効果が薄いです。

極軸合わせ用の微動雲台

極軸合わせのために赤道儀全体を載せる微動雲台がメーカー純正、サードパーティ製、三脚メーカーとこれまたなかなかいいお値段で色々出ています。ただ、ポタ赤の極軸合わせにそこまで必要なのか疑問です。

極軸合わせに命をかけてる人が多くてびっくりするんですが、本来ポタ赤で想定されているような使い方(※)なら適当合わせでもどうにかなってしまうことが多いです。変に微動装置を使うと重心が高くなって揺れやすくなりますし、たわみも出ます。普通のカメラ雲台で十分というより、そのほうがよいです。ただ、水平垂直は独立して調整できたほうが便利なので、自由雲台は非推奨です。

微動装置よりも全体の安定性の方が重要です。

※広角~標準レンズでサクッと撮るっていうのがコンセプトのモノだと思います。もちろん本来の使い方に囚われる必要はないのですが。

ポタ赤on微動雲台on自由雲台

下記リンク先の画像を見てみてください。公式の絵なのかわかりませんが、自由雲台の上に微動雲台を載せてその上にポタ赤を載せています。下に行くほど華奢になるという、ただのギャグにしか見えない構成が紹介されています。

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ドイツ式赤道儀化ユニット

これも結構定番の改造ですね。
いろいろくっつけると変形ロボみたいな感じで、ロマンはあるんですよ。ロマンは。

望遠レンズを使いたいなら最初からAP赤道儀などの普通のドイツ式赤道儀を買ったほうがいいです。
後付けのユニットだと赤緯軸にモーターはつけられませんし、手動の微動装置すらないものも多いので望遠鏡用の架台としては使い勝手が悪すぎます。

ポータブル赤道儀は通常のカメラ三脚で運用できるのがメリットです。(ドイツ式赤道儀では専用の三脚が用意されていることが多いです)

普通のカメラ三脚で数百mmのレンズ使うとかなり振動等が厳しくなります。そうすると、結局望遠鏡用の三脚と同じぐらいごついモノを使わないといけなくなるんですね。

ドイツ式ユニットをつけるぐらいならポタ赤ではなく小型赤道儀を選んでください。

これは買え

ビクセン ポーラメーター

ポラリエ&ポラリエUのホットシュー(接点はないのでコールドシューというのか)に取り付けるもので、角度調整ができる台の上に水準器とコンパスがくっついている構造になっています。コンパスはかなり大型で細かいメモリもついているので調整しやすいです。

後の項目で述べますが、極軸望遠鏡はなくても極軸を合わせることができます。ポーラーメータでおおよその極軸を合わせた後、実際に何枚か撮影してみて、星がズレる方向から極軸のズレを推定する方法です。

ポラリエUとポーラメーター

極軸望遠鏡を使わないので、北極星が見えない場所でも極軸を合わせることができます。

実写!

極軸望遠鏡を使わずに極軸を合わせる方法

赤道儀を通常モード(恒星時モード)で駆動させた状態で写真を撮ります。カメラを向けた方向と、星がどちらにズレたかで極軸がどちらにズレているか判断します。ズレの方向はわかりますが、ズレの大きさはわからないので、慣れとトライ&エラーは必要です。

(覚書)極軸のずれの判別

南の空で星が南にずれていく:極軸を西へ
南の空で星が北にずれていく:極軸を東へ

東の空で星が南へずれていく:極軸を高く
東の空で星が北へずれていく:極軸を低く

西の空で星が南へずれていく:極軸を低く
西の空で星が北へずれていく:極軸を高く

ポーラメーターでの極軸合わせ

ポラリエUでポーラーメータを使ってみた実例です。
ポラリエUを固定している雲台は、ジャンクから拾ってきたごく普通のカメラ用雲台です。

私の住んでる関東地方だと、緯度は36度、偏角は西7度ぐらいのようなので、それを参考にポーラメータを使って適当に合わせて焦点距離70mm、露光3分で南の空を撮ったものがこちら。

三ツ星付近を拡大すると南北に少し流れているのがわかります。

↑南の空を撮影したときに南北に追尾がずれるのは極軸の東西方向があってない時です。
↓なので、偏角10度で調整したらこんな感じ。もう一歩ですかね。

↓じゃあってことで偏角14度ぐらい(適当)で調整したら焦点距離70mm露出3分でも問題なし。

偏角が理論値と一致しないのは周囲の構造物の問題等だと思われます。実際自宅のベランダで撮影する場合には偏角が10~15°ぐらいだと思ってセッティングすれば毎回ほぼずれなしです。

こんな感じで、追尾がズレる方向から極軸のズレは大体わかるので何回か撮れば調整できると思います。数十mm程度の焦点距離なら適当でどうにかなります。

自宅のベランダからは北極星が見えないのでいつもこの方法で合わせています。

まとめ

極軸を正確に合わせることも大事ですが、そのために強度がおちたり可搬性が損なわれるのは本末転倒です。

また、数百mmのレンズを使うつもりなら最初から普通のドイツ式赤道儀を買ったほうが強度も利便性も高いです。

ズレ量から判断する方法ならポーラメータすらなくても良いのですが、最初の基準と調整時の目安として使えるのでセッティング時間の短縮と作業性を考えればおすすめです。

もちろん、何度か撮影してズレ方向確認するの面倒だっていう考えもあると思うので、そういう人には極軸望遠鏡があってもいいかもしれません。ただ、この方法を覚えておけば北極星が見えない場所でも極軸合わせができます。

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