レンズ用ヒーターの作り方

カメラ/天文

星を撮影するときには、季節を問わず夜露に悩まされます。

レンズやフィルターが曇ってしまうと台無しですよね。このようなことを防ぐために、ヒーターを使用するのが一般的です。アマゾンでも色々売られていて自作せずとも、安価に手に入ります。

しかし、市販品を使ってみるとわかるのですがフードやレンズの形状によっては、固定が難しいです。望遠レンズならよいのですが、超広角レンズなどではケラレないようにとりつけるのは一苦労です。

そこで、もっとシンプルな構造でどうにかならないか考えた末、行き着いた露除けヒーターを紹介します。自作ネタです。

必要なもの

ニクロム線(elpa)

エルパ (ELPA) ニクロム線5M 5m φ.26mm発熱線 HK-NK05H

エルパ (ELPA) ニクロム線5M 5m φ.26mm発熱線 HK-NK05H

255円(11/21 17:31時点)
Amazonの情報を掲載しています

40cm程度使用します。この長さでおおよそ10オームになります。5VのUSB電源を使用すれば500mAで2.5Wとなります。おおよそこの程度のワット数で十分使えそうです。

強化チューブ0.35mm

釣り用品のようですが、釣りはしないので何に使うものかはよくわかりません。ニクロム線むき出しでは取り回しが悪いのでこのチューブをカバー代わりにします。
中空になっているので、そこにニクロム線を通します。ニクロム線よりも少しだけ短くします。

長いヒーターを作りたい場合は0.35mmでは通しにくいので0.4mmや0.5mmのものがよいです。

シリコンゴムリング

 

ニクロム線を固定するために使います。

電源取り出し用usbケーブル

ヒーターの電源としてモバイルバッテリーを使用するので、適当なケーブルを加工して使用します。
1.5~2mぐらいはあったほうが良いです。

コネクタ

ニクロム線ははんだがのりにくいので電源ケーブルと接続するために圧着端子でカシメるのが得策です。今回は日圧のSMコネクタをつかって電源ケーブルと切り離せるようにしました。
つながればなんでもOKですが、圧着ペンチは別途必要です。

熱収縮チューブ

熱収縮チューブはサイズが合えば何でも良いです。長さは必要ないので、細切れでいろいろなサイズのものが1セットあるとなにかと便利です。

作り方

電源ケーブル

用意したUSBケーブルから加工を始めます。

使わないほうの一端(USB端子ではない方)を切り落として外装を剥きます

収縮チューブをかけます

コネクタのレセプタクルに圧着するために芯線を剥きます

レセプタクルを圧着します

コネクタのハウジングにいれます。電源側をメス側にするのが良いです。

ニクロム線と強化チューブの用意

およそ10オーム分のニクロム線(40cmぐらい)とそれよりも少しだけ短い強化チューブを用意し
強化チューブの中にニクロム線を通します。

コンタクトを圧着します。コンタクトの外装抑え部分で強化チューブごと圧着します。

ハウジングにいれ、念のため根元に収縮チューブをかけます

固定用のシリコンゴムリングを通します(2個ぐらい)

これで完成です

使い方

フィルター枠にニクロム線をひっかけてゴムリングでキュッとしめるだけ、なのですがニコンのZレンズの場合はフードにちょうど良い隙間があいているのでこれを使います。

フードのすきまから通してフィルター枠にひっかけます

フードの外側からゴムリングで締めて固定します。ちょっと緩いですがまあ大丈夫です。

よく売っているヒーターのように保温も兼ねたバンドはないですが、フィルター枠を直接温めるので
これでも十分に効果があります。非常にシンプルでかさばりませんし、ケラレの心配もなく簡単にとりつけられます。たぶんこれが一番簡単だと思います。

ちなみに温度は外気温20℃のときに、ニクロム線は大体50℃ぐらいになっているようです。
ニクロム線を短くすると抵抗が小さくなって電流が多くなり、プラスティック部分が溶けてしまったりするかもしれないのでお気を付けください。(当然ながら全部自己責任です)

シリコンゴムリングだけでは、少々固定が甘いのでより良い方法を模索中です。

コメント