オーム電機から単セルのLFPバッテリーが発売されていたので購入して検証してみました。
件の電池
今回購入したのはこちら、オーム電機のセンサーライト専用の18650型リン酸鉄リチウムイオン電池(LS-BLFP18A-S)です。
LFPバッテリーは充放電制御回路までセットにして4直列にした12.8Vのモノがアマゾンなどで多く販売されていますが、単セルでしかもまともな国内メーカーから発売されているのはかなり珍しいです。
当然PSEマークは表示されていますし、オーム電機はJBRC会員企業なので廃棄時も所定の手続きで問題ないはずです。本記事執筆時で2本で1200円ほどとそれほど高価でもありません。これはなかなかオイシイ電池なのでは…?
充放電制御の謎
この電池についてわざわざパッケージを破って分解して中身を確認している変態偉人をtwitter上でみかけたのですが、どうも一般的な充放電制御回路が内蔵されていないようです。(このような電池でよく使われる円形の制御回路は見られず、底上げしているだけのように見える)
ということで、実際に充放電してみて制御がかかっているのか確認してみました。
放電制御
バッテリー(単セル)に10Ω程度の抵抗をつなぎ、電圧と電流値のログをとってみました。その結果がこちらです。
LFPバッテリーの下限電圧は2.5Vとされていますが、1.5Vを下回っても放電をカットするような制御は見られませんでした。
つまり、放電制御はしていないと言ってよさそうです。
充電制御
同様に充電時の挙動も確認してみました。充電電圧は約3.7Vとしています。
LFPバッテリーの最高電圧は3.7V付近とされていますので、このぐらいで充電をカットしてもよさそうなものですが、そのような挙動は見られませんでした。
もっと電圧が高いと制御がかかる可能性もありますが、高電圧での充電は危険なためこれ以上の電圧はかけていません。今回確認した範囲では充電制御もしていないと予想されます。
まとめ
電池の充放電の挙動を確認してみて、充放電制御はしていない(≒充放電制御回路は入っていない)可能性が高いことがわかりました。
詳細は知らないのですが、リチウムイオン電池は生セル(安全対策なし)の状態での販売は国内ではNGで、当然PSEも通らないはずです。この電池はどのような理屈でOKになっているのか気になるところです。
DIYでこの電池を使おうと思っている方はこのあたりの挙動に注意して使うようにしてください。電池側の安全回路があるから大丈夫、という考えは危険です。なお、LFPではない、以下の3元系リチウムイオン電池の場合は充放電制御がかかることは確認しています。
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また、Amazon等で販売されているリチウムイオン電池対応充電器の多くはLFPバッテリーには対応していません。LFPバッテリーは他の3元系リチウムイオン電池よりも電圧が低いため、過電圧による充電になってしまいます。
どうしても使いたい場合はLFP対応(LiFePO4対応)と明記されているものを使いましょう。
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