以前、メルテックのポータブル電源SG-1000のバッテリー交換について書きました。
SG-1000は、鉛シールドバッテリーが搭載されているポータブル電源ですが、今回はリチウムイオンバッテリーに換装して軽量化&大容量化をしましたのでその方法を紹介します。
LFPバッテリー
LFPバッテリー、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーが最近話題になってきています。LFPバッテリーはリチウムイオンバッテリーの1種なのですが、ざっくりいうと
・リチウムイオン電池の中では容量が少なめ
・耐久性が高い(数千回のサイクル寿命、従来電池の10倍)
・安全性が高い(燃えにくい)
という特徴があるようで、アウトドア向けのポータブル電源でもぼちぼち採用され始めているようです。そして、鉛シールドバッテリー互換(サイズ、電圧)のLFPバッテリーもアマゾンなどで簡単に購入できる状況になっています。今回はこれを購入し、検証してみました。
買ったもの
SG-1000にもともと入っているシールドバッテリーは12Vで横幅151mm×奥行65mm×高さ94mm、端子はF2です。
これと同じサイズで12.8VのLFPバッテリーが複数売られています。そのなかでも2000円引きのクーポンがあったXZNYを選びました。12.8V12Ahで7600円(2022年頃)ほど。鉛シールドバッテリーと比べてお値段は2倍、容量1.5倍、重量半分、サイクル寿命10倍です。
XZNY 12V 6Ah リン酸鉄リチウムイオンバッテリー 充電式バッテリー LiFePO4ディープサイクルバッテリー 500...
XZNY 12V 12Ah リン酸鉄リチウムイオンバッテリー 充電式バッテリー LiFePO4ディープサイクルバッテリー 50...
(追記)上記リンクには12Ah版には私が購入した無印とProの2種類がありますが、Proは幅が大きいです。無印は65mm、Proは90mmです。奥行65mmでないとSG-1000には入りません。下記製品は8~10Ahで容量が少々小さいですが幅65mmです。
PowerUrus 12V 8Ah リン酸鉄リチウムイオンバッテリーLiFePO4 4000回以上ディープサイク 内蔵10ABMS 子供用...
GOLDENMATE 12.8V 10Ah LiFePO4バッテリー リン酸鉄リチウムイオンバッテリー 128Wh BMS内蔵10A 2000以上の...
換装
形状は鉛シールドバッテリーと変わらないので、作業は特に問題なしです。
上が鉛シールドバッテリー、下が今回購入したLFPバッテリー
外装の開け方など換装法は過去の記事を参照してください。
交換後(サイズはぴったり)
換装自体は簡単ですが、もともとSG-1000は13.5~14V程度で充電する回路になっているため、付属のACアダプタでは満充電にできません。内部の可変抵抗をいじれば多少電圧を上げられますが14V付近が限界のようです。しっかり充電するためには別途電源が必要です。
充電テスト
14.6Vの定電圧で充電を行いました。定電圧の生成にはアマゾンで販売されている可変DCDCコンバーターを使用し、電流制限抵抗として1オームのセメント抵抗を追加しました。
DROK dcdcコンバーター 8-22V〜3-15V 5V 12V 3A 降圧モジュール 電圧レギュレータ 安定器 防水 可変出力電...
問題なく充電ができ、14.3~14.4V付近で自動的に充電がカットされました。きちんとBMSが効いているようです。
放電テスト
聞いたこともないブランドのものなので、ちゃんとした製品なのか不安なので容量を計測してみました。14.6Vで満充電にした後、約10Wの負荷をつないで電流電圧を記録しました。その結果がこちらです。
横軸が経過時間(分)、縦軸が電圧(V)です。気温は20℃前後です。噂(?)通り放電開始最初と最後以外は電圧特性が非常にフラットですね。最初にガクッと電圧が低下した後は非常に緩やかに変化し、電池残量がなくなる寸前に急激に電圧が低下します。
ちなみに経過時間400分付近で電圧が下がっているのはコネクタが緩んでいたせいです。
BMSが働く前に止めましたが、計測できた容量はおよそ140Whでした。
カタログスペックが12.8V×12Ah=153.6Whですのでカタログスペックの90%以上です。少なくとも電池の代わりにレンガが入っているということはなさそうです。
今回は大雑把な計測ですし、完全に使い切るところまでは検証しなかったので、実際にはもう少し電池容量はあると思います。
まとめ
今回買ったLFPバッテリーが詐欺商品ではないということは確認できました。
巷で言われているLFPのメリットを言葉通りに信じるならば、このようなモバイルバッテリー用途においては、鉛シールドバッテリーを選ぶ理由はないといっても過言ではないのではないでしょうか。
特にSG-1000のバッテリー交換を考えているならばLFPを検討する価値は十分にあります。もちろん、充電をどうするか自分で考えられる人だけ、ということになりますのでご注意ください。
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