ついにRaspberryPi5の販売が国内でも始まりましたね。
今回はPi5の発熱具合の確認とスイッチサイエンスで買ったアルミ製ケースの紹介です。
RaspberryPi 5
RaspberryPi5はPi4の後継となるRaspberryPiシリーズの最新機種です。
CPUはPi4もPi5もどちらもクアッドコア(4コア)ですが、動作周波数は1.8GHzから2.4GHzに大幅アップしています。アーキテクチャーの変更もあり、性能はおよそ2~3倍になっているとのことです。
性能面でのベンチマークは他所にゆずるとして、CPUをフルロードした場合の温度やクロックの変化などをPi4と比較してみていきたいと思います。
なお、今回は私はスイッチサイエンスから4GBモデルを購入しました。あわせてアルミ製のEDATEC製ケースも購入しました。
RaspberryPi 4の発熱おさらい
以前、Pi4とPiZero2Wについて発熱具合を比較しました。Pi4についての結果はざっくりいうと
- プラ製公式ケースに入れた場合、数十秒でCPU温度が80度を超え、サーマルスロットリングがかかる。
- チップに小さなヒートシンクをつけても焼け石に水。
- ファンレス運用したいならケース全体で放熱できるアルミ製のものがおすすめ。
という感じでした。Pi5もファンレス運用は可能なのでしょうか?
RaspberryPi4の温度測定値です。(復習)
この程度のヒートシンクは焼け石に水。瞬間的な負荷ならないよりまし、という程度です。
Pi4とPi5の発熱比較(対策なしの場合)
厳密な比較にはなりませんが、公式ケースに入れただけのPi4と基板むき出しのままのPi5で同様の負荷を与え、温度とCPUクロックの変化を比べたのが以下のグラフです。なお、どちらも厳密に合わせているわけではありませんが、概ね室温は25℃付近です。また、Pi5については公式ケースは購入していないのでスペーサーで机から1cm程度浮かせた状態で測定しています。周りが開放されている分、Pi5のほうが冷却的には有利な条件にはなっていると思います。
なお、測定時に使用したスクリプトは本記事の最後に掲載します。
測定では最初はアイドル状態での温度を一定期間測定し、その後(今回の場合170秒後)にCPUをフルロード状態にして温度とクロックの変化を撮りました。
CPU温度
どちらも負荷をかけた瞬間にCPU温度が急上昇し、Pi5は15秒程度、Pi4は1分程度でサーマルスロットリングがかかる80~85度に到達しています。
クロック周波数
クロック周波数については、Pi5はアイドル状態では1500MHzですが、負荷をかけた瞬間にスペック最大値の2400MHzに到達しすぐにクロックダウン、その後はほぼ1500MHzに張り付くような状態となりました。(時々2000MHzを超えている部分もある)
一方でPi4はアイドル状態からスペック最大値の1800MHzで駆動しており、その後じわじわと微妙にクロックが下がる、という挙動になりました。
Pi5用EDATECのアルミ製ケース
ここで、Pi5と同時に購入したEDATECのアルミ製ケースの紹介です。ケースのみの重量が約178gとかなりの重さで塊感がすごいです。スマホ1個分のアルミの塊です。FLIRCのケースも大概ですが、このケースはさらにすごいです。
写真を並べときますのでご覧ください。
海外製品によるある感じの小汚い箱
ケース下側はほぼ1面サーマルパッドです。
内部RTC用電池の配線コネクタ付近にへこみがあるので、ボタン電池を内蔵できるかもしれません。
Pi5で新設された電源スイッチを押す場合、このケースではなにか細い棒が必要です。
Pi5用EDATECのアルミ製ケースの実力
温度変化
温度の上がり方が基板のみの場合と比べて緩やかだったので、測定時間を長めにとりました。(先ほどのグラフとは横軸のスケールが異なることには注意してください。)
もう少し温度は上がりそうですが、サーマルスロットリングがかかる80℃付近には到達しなさそうです。
クロック周波数
こちらも負荷をかけた瞬間に2400MHzに張り付き、それを維持していることがわかります。
おまけ:本ケースの入手について
- 6000円以上で送料無料(日本への送料も無料)
- 6000円以下の場合、日本への送料は2000円(相応の費用だと思いますが高い)
- 1万円以上の場合は関税(輸入消費税)がかかる
つまり、1回の注文が6000~1万円になるように調整してください(笑
もしくは、Digikeyの部品を取り寄せてくれるマルツ経由で購入することもできます。
若干高めですが、直接Digikeyに頼むよりもハードルが低いです。(黒アルマイト版もかっこいい…)
まとめ
かなりギリギリではありますが、Pi5でもアルミの塊のようなケースを使えばなんとかファンレス運用ができそうなことがわかりました。
ただ、極端に風通しの悪い場所や夏場で30度を超えるような環境ではフル性能の発揮は難しいかもしれません。以上ご参考まで。
おまけ:負荷確認用スクリプト
計測回数は都度適当に変えてたりします。
#!/bin/bash OUTPUT="rec.txt" #出力ファイル N_IDLE=40 #負荷前の計測回数 N_LOAD=120 #負荷中の計測回数 N_TERM=40 #負荷後の計測回数 T_INT=5 #計測間隔(秒) function rec_data() { for((i=0; i<$1;i++)) { clock=`vcgencmd measure_clock arm | sed "s/frequency(48)=//g"` clock_mhz=$(($clock/1000000)) str_date=`date "+%H:%M:%S"` temp=`vcgencmd measure_temp | sed 's/temp=//g' | sed "s/'C//g"` str_output=$str_date,$clock_mhz,$temp,$2 echo $str_output echo $str_output >> $OUTPUT sleep $T_INT } } rm $OUTPUT rec_data $N_IDLE IDLE for((i=0;i<4;i++)) { yes > /dev/null & } rec_data $N_LOAD LOAD pgrep -P $$ | xargs kill rec_data $N_TERM IDLE
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