Keychron B1 Proレビュー:B2 Proの弟分は使えるのか?

4.0
KeychronB1Pro PC/デジモノ

B2Proを購入して良い感じだったので常用キーボードとしてB1Proも追加で購入しました。
LogicoolのMXKEYSmini及びB2Proと比較しつつ雑感をお伝えします。

Keycron B1Pro

KeycronB1ProはKeychronが発売しているパンタグラフ式70%配列のキーボードです。
全体的な構成はLogicoolのMXKEYSminiを意識したデザインとなっています。

JIS配列、JIS配列(かな表記無)、US配列の3パターンあり、それぞれについてカラバリがグレー、ホワイト、シルバー、レトログリーン、レトロレッド、レトロブルーがラインナップされています。(存在しない組み合わせもあるので注意)

MXKeysMiniとの比較

価格的にはMXKEYSminiの半額程度であり、ジェネリックMXKEYSmini等ともいわれています。
実際価格の点からMXKEYSminiと比べてどちらにしようか迷っている人も多いでしょうから、まずはMXKEYSminiとの比較をしてみましょう。

打鍵感

言葉での表現は難しいですが、やはりMXKEYSMiniの方が打鍵感は上です。

しっかりと打ったことがわかる適度な反発とキーボード全体の剛性によって打ち間違いが発生しにくいです。かといってB1Proが悪いというわけではなく、パンタグラフ式キーボードとして高い完成度があると思います。少なくとも現在この文章を打っているDELLのINSPIRON13よりは確実に打ちやすいです。

価格相応の価値はあります。

キー配列の違い

メインとなる真ん中の4段はほぼ同じ配列になっています。
異なるのはファンクションキーの行とスペースキーの行です。

まず、ファンクションキーの行から見ていきましょう。

MXKEYSminiとB1Proの比較

B1ProはESCが大きめにとられている代わりにMXKEYSminiと比較してキーが一つ少ないです。

MXKEYSminiはESC,F1~F12,INS,DELの15キーあります。
一方でB1ProはESC,F1~F12,DELの14キーでINSERTキーがありません。

DEL,INSを多用する人には少々マイナスポイントかもしれませんが、ESCは押しやすいです。


次に最下段の行を見てみましょう。

MXKEYSminiとB1Proの比較

矢印キーを除くと
MXKEYSminiは

Ctrl,Fn,Win,Alt,無変換,スペース,変換,かな,Altの9キーです。

B1Proは
Ctrl,Win,Alt,無変換、スペース,変換,Alt,Fn,の8キーです。

こちらもB1Proが1つ少ないですね。その分他のキーに余裕があります。
また、ノートパソコンを含めて一般的なJISキーボードだとFnは左側にある場合が多いですが、B1Proの場合は右側にあります。この辺りは好みが分かれそうなところです。

下手なノートPCやコンパクトキーボードと比べてクセは少ないけど、随所にUSキーボード風味が出ているイメージですね。

キーが少ないので、少なくなったキー(INSキー、かなキー)を多用する人は要注意ですが、B1Proの場合はほぼ無制限にキーカスタマイズが可能です。使用しないキーをこれらのキーに割り当ててやりくりすることもできます。

接続方法の違い

MXKEYSminiはUSB無線とBluetoothの中から好きな組み合わせで3パターンまで登録して切り替えて使用できます。

一方、B1ProはUSB有線、USB無線、Bluetooth×3の5パターン使用できます。

複数のUSB無線を切り替えて使いたいのであればMXKEYSmini一択になります。
一方で有線にこだわりたい方もいらっしゃると思いますが、この場合はB1Pro一択です。

その他

B1Proは特定のローマ字入力の際にでキー入力が漏れる点が指摘されています。(2025/08のアップデートで改善されたという報告アリ)

これはおそらく、同時入力を受け付けるキー数が影響を与えていると思われますが、この点はMXKEYSminiの方が優秀なので超高速でキーボードをたたく人はMXKEYSminiを選んだ方が無難でしょう。

ちなみに、私は4~5キー/秒程度の入力速度ですが上記のような不具合は体験していません。(一般的には早い方ですが、業務で使うには不十分なレベルです)。これについての詳細は後述します。

キーのうち漏らし問題

B2Proと同様、私の打ち方・速度ではShift+HOUで最後のUが漏れる現象は確認できていません。

商品到着時のファームウェアバージョンは1.03でしたがその状態でも打ち漏れることはなく、1.05にバージョンアップしても違いは体感できませんでした。

ドン勝するための キーボード同時押しチェッカー
キーボードが同時押しに対応しているかチェックできます。ゲーミングキーボードのチェックにとても便利です。

同時押しチェッカーで確認しましたが、H+O+Uの3文字同時押しは対応していませんでした。これがうち漏らしが出る場合がある原因かと思われます。ファームバージョン1.03でも1.05でも同時入力可能なキー数に変わりなかったのでHWの構造に起因するものと考えられます。

なお、B2Proでもまったく同じです。B1Pro/B2ProのどちらもHOUの3キー同時押しは対応していませんでした。ちなみにASDFなら4文字同時入力を受け付けるようなので場所や組み合わせによって何キー同時入力なのかは変わると思います。

キーカスタマイズの注意点

私は、レイヤー機能を使って疑似的にemacsキーバインドを再現しているのですが、問題が1点ありました。

Fn+Bキーは特殊機能に割りあたっているらしく、割り当てができないことです。設定のソフトウェア上は問題なく設定できるのですが実際には動作しません。
代わりにキーボード本体の電源ランプが点灯するのでバッテリー残量チェックか何かの機能になっているのかもしれません。

これはちょっと残念。ファームウェアの改善で対応できそうなので是非とも直してほしいポイントですね。
Bキー以外にもユーザー割り当てができないキーがあるかもしれませんが、私が試した限りでは以下のキーは問題ありませんでした。

A S D F X C V N M H P

BキーはEmacsキーバインドではBACK、LEFTキーに対応するので使用頻度が高い重要なキーです。これが本当に残念です。なお、先にレビューしたB2ProではBキーも問題なくキーカスタムを設定・使用可能でした。

※販売店にはこの点について問い合わせ中です。

販売店からの回答で、Fn+Bに割り当てができないのは仕様とのことでした。B以外のキーはすべて使用可能との回答もいただいています。
予想通り、このキーはバッテリーチェックに割り当てられているそうです。

総評

B1ProもB2Proも実質的に自作キーボード入門キットといえるかもしれません。
KeychronのBシリーズは私が知る限り唯一のパンタグラフ式のカスタマイズ可能なキーボードです。
標準的な配列で癖も少ないですし、一部制約はあるものの結構自由にキーバインドを設定可能です。

パンタグラフ式の自作方法は現状ありませんし、ロープロファイルなメカニカルキーボードを作るにしても結構なコストが必要です。
パンタグラフ式に限らず、キーバインドをカスタマイズできるキーボードとしてはほぼ最安クラスです。
一般的なキーボードとしては高額な部類に入りますが、自作すると1万円では効かないですからね。

同時押しの問題もありますのでハードな利用をする方には安易にお勧めできませんが、キーカスタマイズをしてみたいという人には最初の1台として良いと思います。


また、B1ProもB2Proも傾斜が緩すぎて自分にはあわなかったので以下の部品を背面に張り付けて傾きを調節して使っています。
割と重いのでキーボード本体の安定感が増してよいですが持ち運びには向かなくなるのでお好みで。

KeychronB1Pro

▲アマゾンで購入したキーボードスタンドを貼り付けて傾斜をつけた。重くなるのでより安定するし、滑り止めのゴムも問題なし。2段階の高さ調整ができるが高いほうは傾斜が付きすぎるので使わない。


アマゾンやブログのレビューなどを読んでいると品質の問題等を指摘する声もありますが、B1Pro/B2Proを使用していて現状では問題はありませんでした。
耐久性については長期使用してみてまた評価をしてみようと思います。

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