前回はVPNサーバー(WireGuard)をRaspberryPi上に構築する方法を紹介しました。
今回は、手持ちのRaspberryPiの複数モデルを使って実効速度の比較を行います。
VPN設置環境
VPNが設置されている環境は、1Gbps契約の光回線です。
有線接続であれば700Mbps、無線でも400~500Mbps程度の実効速度があり、時間帯による変動も少ない、大変優秀な環境です。
VPNサーバー
速度比較にあたり、以下の6構成でテストを行いました。
- VPNサーバーを通さず直接インターネット接続
- SoftEther:Corei3 4010UのミニPC、Ubuntu22.04、ルーターと1Gbps有線接続
- WireGuard:RaspberryPi4B、RaspberryPiOS 64bit Lite、ルーターと1Gbps有線接続
- WireGuard:RaspberryPi3B、RaspberryPiOS 64bit Lite、ルーターと100Mbps有線接続
- WireGuard:RaspberryPi3A+、RaspberryPiOS 64bit Lite、ルーターと2.4GHz無線接続
- WireGuard:RaspberryPiZero2W、RaspberryPiOS 64bit Lite、ルーターと2.4GHz無線接続
構成2が圧倒的に高性能ですので、VPNソフトウェアの違いがあれど最も高速なはずです。
実は、今回の検証の個人的な目的はこのサーバーをRaspberryPiで置き換えることにあります。
RaspberryPiでどこまで構成2に食いつけるのか気になっています。また、100MbpsのRasPi3Bと1Gbpsの4Bで速度に大差がなければRasPi3Bを今後のVPNサーバーにしたいと考えています。
5.と6.については半分お遊びです。実運用で使うつもりはないのですが、Wifi接続で実用的な速度になるのかに注目したいです。3A+とZero2Wは小型、安価で入手性も比較的よいですからね。
あくまでも参考としてご覧ください。
接続元(クライアント)の環境
自宅とは別の固定光回線が通っている場所での検証を行いました。時間帯によっての変動が大きいですが、概ね快適にネットサーフィン(死語)ができる環境です。検証を行った時にはWifi5で接続したWindowsPC上で100Mbps弱の速度が安定して出ている状態でした。
ちなみに、外出先でモバイル回線を使用しての検証も行いましたが、モバイル回線自体の速度が安定せず、結果がよくわからなかったので掲載していません。
検証結果
アップロード/ダウンロード速度とping値はそれぞれ以下のような結果になりました。
まとめ
VPNを使用しても、SoftEther、RaspberryPi4B、RaspberryPi3Bでサーバーを構築した場合には大きな速度低下は見られませんでした。もちろん、クライアント側の最大速度が100Mbps程度でしたので、より高速な回線を使えば差が出てくる可能性はあります。ただ、現実問題として外出先で安定して100Mbps以上の速度が出る環境はレアですので、ほとんどの場合で4Bではなく3Bでも十分なパフォーマンスを得られそうです。
また、Wifi接続を使用していたRaspberryPi3AとZero2Wは上記3つと比較して大きく速度が低下していますが、15~20Mbps程度の速度は確保できていますので、一般的なモバイル回線であればこれでも十分です。
Zero2Wはping値がかなり大きいのが気になりました。おかしいと思い何度か再測定を行いましたが毎回このぐらいの値になりましたので正しい結果と思われます。Zero2WのCPU性能によるものかWifiチップに起因するものなのかはわかりませんが、Zero2WはVPNサーバー用途としてはあまりお勧めできませんね。ただし、実際に使ってみた感じでは大きな違いがなかったことは補足しておきます。
おまけ(2023.12.24現在)
共立エレショップではRaspberryPi3Bの中古品が個数限定で販売されています。
中古で、しかも写真を見る限り良品とはいいがたい状態ですが昨今のインフレを考えるとよいお値段だと思いいます。ご参考に。
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