去年発売されたSeeedStudioのXIAO ESP32C3を手に入れました。今回は少し触ってみた印象などを紹介します。
(追記)もう少し詳細な消費電力周りの検証をしました!
XIAO ESP32C3とは?
SeeedStduioが発売している開発ボードで、最新のESP32C3を搭載しています。ESP32C3はWifiとBluetoothを搭載しており、ArduinoIDEで開発が可能です。
また、従来のESP32シリーズと異なり、USB-Serial機能が内蔵されているので変換チップ無しで直接USB接続が可能です。さらに、LiPoのバッテリーチャージャーまで内蔵されているのでバッテリーでの運用も簡単になっています。
秋月、スイッチサイエンスなどで販売されており、価格は1つ1000円弱です。
パッケージ
お菓子のパッケージのような袋に入っています。このデザインは悪くないですね。また、Wifi/BT用のアンテナも付属しています。外部アンテナも別売りで用意されています。もちろん技適も有るので安心して使用できます。
外観
非常に小型です。IOピンは14ピンありますが、うち3ピンは5V、3.3V、GNDなので、使用できるのは11ピンです。全てのピンがPWMが使用できます。アナログ入力は4ピンのみです。
IOピンの他にアンテナコネクタ、ブートボタン、リセットボタンが配置されています。
https://wiki.seeedstudio.com/XIAO_ESP32C3_Getting_Started/ より引用
裏面にはバッテリー接続パッドとJTAGのデバッグ用のコネクタがあります。裏面のパッドは小さいので少し使いづらそうです。
電源まわりについて
電源供給はUSB端子、もしくは5Vピンからの入力に対応しています。ESP32自体は3.3V駆動なのでレギュレーターからの出力が3.3Vピンから出ています。3.3Vピンに3.3Vを供給しても動作しますが、この場合はバッテリーへの充電は行われません。
ディープスリープ時の消費電力
WiFiの立ち上げまで行うと、瞬間的に数百mAの大電流が必要になります。Wifi接続状態での待機時は数十mA程度です。
ディープスリープ時の待機電力は電力の供給元により変わります。実測では以下のような結果でした(μAオーダーは精度があまりよくないので参考まで。±数十μA程度の誤差が含まれます)。
①USB端子からの電源供給: 約300μA
②5V端子からの電源供給: 約200μA
③3.3V端子からの電源供給: 約70μA
②と③の違いは内蔵のレギュレーターの待機電力とボードに搭載されているLEDと思われます。約100~150μA程度ですね。有象無象の開発ボードだとレギュレーターとUSBシリアル変換チップが待機時でも数mAオーダーで消費してしまうものもあるので、これは優秀です。
プログラムの書き込みについて
ちなみに、ディープスリープに入ってしまうとUSBシリアル変換の部分も止まってしまいます。このため、ディープスリープから復帰する時間が短いプログラムを書き込んでしまうと再書き込みが難しくなってしまいます。
この場合は、BOOTボタンを押しながらUSBコネクタを接続してください。BOOTボタンを押しながら起動した場合にはブートローダーが起動し、プログラムの書き込みが可能になります。(BOOTボタンを押しながらRESETボタンを押しても同じ挙動です。)
まとめ
XIAO ESP32C3は非常に小さく、また待機時の消費電力も抑えられているのでバッテリー駆動に最適な開発ボードです。ピン数が少ないので用途によっては不適ですが、I2Cを中心としたセンサー類を動かすのであれば問題ありません。
また、販売元がしっかりしておりクローンは出回っていないので安定した品質のボードを入手できますし、お値段もESP32開発ボード中では安い部類です。ESP32を初めて使う人にもお勧めです。
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