今回は、ロープロファイルでコンパクトなメカニカルキーボードを選ぶにあたって配列で悩んだのでその備忘録です。
必用最小限な75%キーボード
フルサイズキーボードからテンキー部分を取っ払い、矢印キーをキーボード右下に押し込んだ配列を75%配列(エンターキーの右側に一列なければ70%配列)といいます。
最低限の機能を押し込みつつ、キーボードの横幅が小さくなるので人気の高い配列です。
これより小さくするとファンクションキー行を削るなどの必要が出てくるので”最低限”なわけです。
この配列の問題点は、右下に矢印キーを押し込んだことで、この近辺が非常に混雑することにあります。US配列であればまだよいのですが、キー数の多いJIS配列キーボードの場合には問題は深刻です。
2025年はメカニカルキーボードメーカーからロープロファイルでJIS配列な製品が多く揃ってきました。
有名どころではKeychronのK3Max、LofreeFlowLite、NuphyAir75V3あたりです。
どれもデザイン性に優れており、定評のある製品です。
しかしながら、JIS配列には各社苦心しているようです。
各社の苦心
Keychron K3Max(初期モデル)
まず、1つ目の例を見てみましょう。Keychron K3Maxの初期モデルです。
https://keychron.co.jp/products/keychron-k3-max-qmk-via-jisより引用
右Ctrlキーをつぶして矢印キーを4つ並べた形になっています。
この配列は使い勝手が悪いようで良い評判もあまり聞きません。あとで述べますが、現在はこの配列を改良した改良版が販売されています。
NuphyAir75V3など
次にNuphyAir75V3 JISをみてみましょう。
NuPhy Air75 V3 JIS 日本語配列 ホットスワップ対応 ワイヤレスメカニカルキーボード(88キー・75%配列・ノ...
このキーボードでは、右シフトキーを半分のサイズにして、その右側に上矢印キーをねじ込んだ格好になっています。
もともと、右シフトキーは1.75uしかありません。矢印キーとシフトキーについてそれぞれ1uのサイズを確保するためにシフトキーの行を0.25uだけ左にずらしています。これを嫌う人もいるようです。
Lofree FlowLite JISも同様の配列です。
Lofree Flow Lite JIS ワイヤレスメカニカルキーボード(日本語配列/静音リニア Void 軸/分割スペースキ...
HHKBなどでは、上矢印キーと右シフトキーの場所が入れ替わっている点は違いますが、右シフトキーのサイズが犠牲になっている点は同じです。
Keychron K3Max(改良版)
最後に、KeychronK3Maxの改良モデルです。

シフトキーと上矢印キーが兼用になっています。
配列的には理想形に近いようにも見えますが、1キーに複数機能を割り当てる煩雑さもあります。
結局どれがベスト(ベター)なのかは各個人の好みによるところが大きいですし難しい問題です。
ちなみに、ノートパソコンや薄型キーボードで採用されるパンタグラフ式やメンブレン式の場合は上下矢印キーを小さくして通常キー1つ分のスペースに2つのキーを押し込んでしまうのが常套手段です。
これはメンブレン方式を基本とした専用設計だからこそできる強みではあります。メカニカル式の場合、キースイッチの大きさの関係上このような配置は難しいです。
KeychronK3Maxの改良版を買った
で、いろいろ悩んだ挙句Keychron K3Maxを選びました。
【国内正規品】Keychron K3 Max ロープロファイル ワイヤレス・カスタムメカニカルキーボード、2.4GHz・Blu...
このキーボードの工場出荷時の設定は
・右シフトキー通常は上矢印キー
・Fnとの同時押しで右シフトキーとなる
となっていました。私は、これをタップダンス機能をつかって
・単独押しで上矢印
・他キーとの併用で右シフト
となるように設定しました。
KeychronLauncherでの具体的な設定方法は、[カスタム]-[Any]で
MT(MOD_RSFT,KC_UP)
この設定は事前にKeychronB1Proで設定し、運用してみて問題なさそうだったのでK3Maxの購入に踏み切ったわけでもあります。
B1Proで設定した際には、少し問題もありました。
それは、押しっぱなしによる連続入力ができないことです。
シフトキーを一回押して離せばカーソルが一つ上に移動します。
しかし、押しっぱなしにしてもカーソルは動かないのです。
普通の矢印キーであれば、押しっぱなしにすればその間カーソルは動き続けますよね。
これは機能上仕方のないことだなあとはおもっていたわけです。
で、同じ設定をK3Maxに適用してみたところ、少しコツは必要なもののキー押しっぱなしによる連続入力が可能なことがわかりました。
素早く1回タップした後、次に押しっぱなしにすると、矢印キーを押しっぱなしにしたのと同じ状態になるのです。
B1Proでも再度確認してみたのですが、B1Proではこのような挙動になりませんのでHWかFWの違いによる仕様だと思われます。
K3Maxの仕様だと素早くシフトを入力してしまった場合には意図せずカーソルが動いてしまう可能性もあるのでどちらが良いかは判断が難しいところです。
この点は少し不便に感じたので、矢印キーの右上のENDキーも上矢印に設定しました。
所謂山型の配置ではないので若干違和感はありますが、慣れてしまえばさほど気になりません。
個人的にはK3MaxJIS改良版の配列がベターだった
結果的に、シフトキーと上矢印キーの併用による配列で不自由や問題は感じていません。最初は右シフトキーなんて使わないからNuphyやLofreeの配列のほうがよいだろうと思っていたのですが、購入前に試しにソフトウェア的に右シフトキーを無効化したところ、意外と使用していることが分かったのでK3Maxを選んだというわけです。
コンパクトキーボードを選びで悩んでいる方は試しに右シフトキーの無効化をして自分がどの程度使っているのかを確認してみるのが良いと思います。
キーカスタマイズに対応していないキーボードでもChangeKeyなどのソフトウェアを使用すれば一時的にキーを無効化することも可能です。

メカニカルキーボードは安い買い物ではないので後悔のないように選びたいものですね。




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